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梅雨の晴れ間に再び秘境へ(ユーシン渓谷) [山関連]

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<ユーシン渓谷>


梅雨入り期間中の雨が降りそうもない日を選んで5月の連休に続き再び西丹沢を流れる玄倉川へ行って来ました。

玄倉川といえば玄倉ダム(玄倉第二発電所)のユーシンブルーでお馴染みですが、現在玄倉林道は斜面崩壊復旧工事により通行止めなので、今回はその手前のユーシン渓谷核心部といわれる秘境エリアのウォーターウォーキング(プチ沢登り)です。

GWには雨山峠越えして玄倉川上流部を訪れましたが、天候不順で下山時に落雷[雷]の恐怖に慄きながら歩くことになってしまったので、今回は天気予報を入念にチェックして友人と釣りも兼ねて沢歩きして来ました。

→前回の記事はこちら

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丹沢湖畔の玄倉駐車場からユーシンを目指します

玄倉林道は昨年1月に発生した斜面崩壊による復旧工事により通行止めが続いてますが工事期間が令和4年3月まで延長されたようです。玄倉林道に関するHPはこちら

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玄倉林道は現在は3号隧道(石崩隧道)~玄倉ダム~6号隧道までの区間が斜面崩壊・復旧工事により完全通行止めなので、この日は沢登りモードで通行止め区間手前の新青根隧道より玄倉川に入渓してから沢歩きすることにしました。

(注)玄倉林道は現在も落石が多いので林道歩きでもヘルメットを被った方が無難です。

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沢装備を詰め込んだ少し重いリュックを担いて距離10km、約1時間30分ほど歩きます

この日は50Lリュックに18kgを担いでのトレーニングも兼ねてます(汗)

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1時間30分歩いて、新青崩隧道に到着

真っ暗闇で300m以上も続くこのトンネルですが、現在はこのトンネルの先にある石崩隧道から先は完全通行止めにより進めませんので、左側の旧道を少し進んで旧青崩洞門入口付近より急斜面の支沢を下り玄倉川へ

(山歩きに慣れた方ならさほど問題ない急斜面ですが、スニーカーでは厳しいと思われます)

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玄倉川に降り立つと石崩隧道が見えます。

国土地理院の地形図でまだ名称が記されている仏岩の崩壊が著しいです

本当にユーシン渓谷は急峻な地形で山肌は脆いようです

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ここで沢スタイル(沢靴、ヘルメットなど)に着替えて遡行開始♪

約7年間愛用していた沢靴、FiveTen社製のCanyoneer(ソールはアクアステルス製)はバックルが劣化により折れてしまったので、2年ほど前にその後発品となるCanyoneer3を購入しました(ソールは新開発のStralth ST TM)

この沢靴、ジャンル的にはキャニオンリング用シューズですが、旧来のフェルト底のウェーディングシューズよりグリップ力が格段に向上し、この靴でユーシン沢、檜洞沢、早戸川原小屋沢などの沢登りの遡行では問題なく登れたので暑い夏場限定ですが今後しばらくは楽しめそうです。 

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梅雨時期ということで幾分水量多めな本流を進みます

正午近くになると曇り空から一転して青空となり予想外の陽射しが射し込みます[晴れ]

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透明度抜群!

水流はキンキン[あせあせ(飛び散る汗)]に冷えてます

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ユーシン特有の真っ白な石英閃緑岩とユーシンブルー

このあたりで少し釣竿を伸ばしてみると小さなヤマメがヒット!

するとその後友人には大きなイワナがヒット。。(苦笑)

キャッチ&リリースしてから先へ進みます

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エメラルドグリーンの流れに癒されます

一般的に渓流の青さというのは、太陽光に含まれる波長の長い赤い光を水が吸収し、吸収しない青や緑が水中で散乱したり川底の岩に反射したりすることで見える現象なんです。

特にユーシンの山域となる同角山稜一体には昔の鉱山跡が多く、そこからマグネシウムを含む水が流れ出て、微粒子となったマグネシウムがエメラルドグリーンのユーシンブルーを作っているのではという説もあるそうです。

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この日はやや水量が多く、大岩で塞がれた淵では胸元まで水に浸かりながら通過します。

カメラ機材も多く担いでいるので、当然濡らさずに通過するためにいったん防水袋などに入れ替え、なるべく水の中を慎重に歩くことが多いですが、水流が強い区間ではルートファインディングして斜面を高巻いたりして進みます。20196yuusin-019.jpg

綺麗なナメ滝、これぞ天然のアトラクション!!

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流れを1/4000秒の高速シャッターで1枚

この一滴にもユーシンブルーを彩る成分が含んでいるのでしょうか^^

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断崖絶壁の頭上に射しこむ太陽[晴れ]

このあたりは丹沢黒部といわれるほど急峻なV字渓谷です。

高性能といわれるガーミンのGPSでも毎度受信感度が乱れるほどかなり山深い谷底です
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プールのような流れの緩い瀞瀬もあります

もし真夏[晴れ]のような暑さならきっとここでザブン!としちゃうでしょう(笑)

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そして本日の目的地の入口となるモチコシ沢出合に到着

これより左側(右岸)のモチコシ沢に入ります

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スパッと切れ込む狭いV字谷

このトイ状の小滝群を少し登ると・・・

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視界に現れたのはモチコシ大滝 落差60m(2段)
大迫力で見応え十分です^^

深山幽谷に聳えるおそらく何百万年前よりひたすら流れ続けている豪快な大滝をしばらく観賞していると、普段の日常生活や仕事のことなど、いわば俗世のことなどどうでもよいことと思えてしまうのが山パワーなんだと感じてしまいます(笑)

沢登りや山歩きの魅力ってこういうなんだと改めて実感できます^^

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滝壺まで攀じ登りマイナスイオンを浴びながらランチタイム♪

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滝壺付近から滝上部まで撮影

秘境感満載のこの場所で1時間近くマッタリとしましたが深山で過ごす時間はいつもアッという間に感じるのがとても不思議です^^

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V字に切れ込んだゴルジュがこの同角山稜の象徴といえると思います。

大滝パワーをたっぷりと吸収した後は、本流に戻ります。

いつもならそのまま玄倉川本流を玄倉ダム直下まで遡行して玄倉林道で戻るのですが、現在は玄倉林道が通行止めなのでこの日は遡ってきた本流を戻ることにします

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高さ10mほどある2階建の家くらいの大きさの超巨岩(驚)

丹沢山塊は250万年前に巨大噴火したといわれているのでその頃よりこの場所に鎮座しているのでしょうか

こんな超巨岩が山頂から飛んできたことを考えると地球のパワーの凄さと人間の微力さというものを感じてしまいます。

その後は入渓地点まで戻り道沿いの花などを鑑賞しながら歩きます

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キイチゴの仲間のニガイチゴ

少し口に含んで食べましたが、やはりちょっと渋いです(苦笑)

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ヒメウツギの蜜を吸うアリ

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まだ残っていたモミジイチゴ

これはキイチゴの中でも甘酸っぱくて一番美味しいです^^

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シモツケ

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マムシグサ

山野でよく見掛ける多年草ですが名前のごとく全草毒性があるので鑑賞するだけで十分ですが・・・(笑)

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ツルキンバイ

そろそろ見頃も終わり

そしてこの後ハプニング!!

花の写真を撮影していたら、斜面上部から落石が!

友人がとっさに「ラーク!」と言い、身を屈めるものの3cmほどの小さな岩が自分の後頭部をかすめました。

かすり傷で済んだのは幸いでしたが、落石があった急斜面を見上げると50mほど先に動く黒い物体が・・・

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野生のカモシカでした(立ち去ってしまわないうちに即座にコンデジズームで撮影)

山歩きしている際に発生する小さな落石の原因というのは、実はほとんどが野生動物たちが人間の気配を感じて動き始める際に足元の小石などを蹴ってしまうことによるものなんです。

沢から上がっていたのでヘルメットは脱ぎ、帽子だけ被っていたのですが大事に至らず良かったです^^

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ホタルブクロ

なかなかふっくらしててヨロシイスタイルですね^^


そして玄倉川を挟んだ対岸の断崖絶壁急斜面にも動く物体が・・・

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今度はシカでした

あんな断崖絶壁斜面を颯爽と跳ねたりしながら移動するシカの姿を見てしまうと、人間もシカのように軽快に絶壁を登って下れればどれだけ楽しい山歩きが出来ることだろうと感じてしまいました(笑)

この日は帰り道だけで3度も野生のシカカモシカを見掛けたので、改めて自分たちが彼らの暮らす生活圏(大自然)にお邪魔させて頂いているのだなぁと思いました^^


玄倉林道の安全対策復旧工事が令和4年3月まで延長されたことで、ユーシン沢や檜洞沢など沢登りや、遺言棚や同角山稜、熊木沢経由の蛭ヶ岳や塔ノ岳への登山ルートは今後数年間はプランの練り直しが余儀なくされそうです。

また一昨年訪れたユーシン沢、檜洞沢には訪れたいと思っているので、まだまだ体力をつけないと。。。^^


■歩行距離 22km

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