紅葉の犬越路隧道 待望の山岳アドベンチャーライドへ!!(丹沢湖~犬越路林道~神之川林道~宮ヶ瀬湖) [西丹沢・足柄・山北方面]
<犬越路林道>2017年11月4日
すっかり秋...というかもう晩秋の雰囲気に近づいてますが、今夏に計画していた山岳ロングライドにようやく行くことが出来ました。
7月以降、度重なる週末の雨天続きや先週までの3週連続台風襲来により、今年後半はほとんどロードバイクに乗れずすっかり脚の筋肉が落ちてしまった感覚です。
今回はようやく山岳ライドが出来そうな良い天気になりそうだったので、そんなブランクもすっかり忘れいろいろな意味で結構ハードな山岳アドベンチャーライドに挑戦して来ました。
目的地は西丹沢と北丹沢を結ぶ丹沢山塊を縦断に走行出来る唯一の車道として知られている犬越路林道~犬越路隧道~神之川林道です。
★犬越路
西丹沢の名峰と言われる檜洞丸(ひのきぼらまる)と大室山の稜線上にある峠で、戦国時代、武田信玄が2万もの武士を風林火山の旗を靡かせて小田原攻めに向かう際、甲州(山梨県)より相州(神奈川県)に入るために、犬に道案内させてこの峠を越えたことに由来するそうです。標高は1060m。
犬越路隧道は西丹沢中川川源流域にある犬越路林道と北丹沢神之川源流域にある神之川林道を南北に結ぶ隧道で、犬越路(峠)より直線距離で約800m離れた場所にあり標高は約900mです。
★コーススペック
1.西丹沢側(バウアーハウスキャンプ場付近~東沢林道~犬越路林道~犬越路隧道南側坑口まで)
距離4.8km 標高差342m 平均勾配7.2%
2.北丹沢側(犬越路隧道北側坑口~神之川林道~神之川ヒュッテ付近まで)
距離9km 標高差544m 平均勾配6.1%
↓今日のコースと標高グラフ
犬越路(避難小屋のある峠)には檜洞丸や大室山への山歩きで何度か訪れたことはあるのですが、犬越路隧道は未踏の地ということもありロードバイクでヒルクライムをやりはじめて以来、いつかは走ってみたいと思っていた場所でした。
ところが事前リサーチしてみると、犬越路隧道の南側(犬越路林道)はしっかりとした舗装路ですが、北側(神之川林道)は距離が長いうえに、路面状況が酷いダート道で相当悪いということで、今回はタイヤをオフロードでの耐久性に優れるというPanaracer GRAVELKING(700×26C:ミックスパターン)に履き替えました。
↑今回、犬越路完走対策として履き替えたPanaracer:GRAVELKING 700×26Cです。
これまで履いていたミシュラン:PRO4 エンデュランス(700×23c)の重量は245g
一方今回履き替えたPanaracer:GRAVELKING(700×26c)の重量は240gということでほぼ同じです。
オンロードでの走行性能についてはトレッドパターンをミックスパターンにしているのと、もともとスピード重視の走りではないので、さほど違和感なく走れました。
普通のアルミロードバイクにタイヤのみ履き替えてどこまで通用できるのか・・・少し無謀なチャレンジなのを覚悟して念のため取り外したタイヤを折りたたんで予備タイヤとし、予備チューブも2本持参して挑みました。
自宅からは140kmオーバーにより日照時間もだいぶ短くなって来たので南側(西丹沢)より登って、路面の悪い北側(神之川)をグラベル仕様のタイヤで下ることにしました。
また、万一のために輪行装備(輪行バッグ、着替類など)もいつもの大き目なサドルバッグに詰め込み、朝6時30分頃の出発です。
R134の湘南大橋(相模川)の気温計は14℃
今日のウェアは上は秋用長袖サイクルジャージに下着のみ、下はレーパン(短パン)にして、夕方レッグウォーマーを着けました。
花水川を渡り、何時ものように大磯の照ヶ先海岸へ立ち寄ります。
この日の天気予報は日中は晴れ予報です。
大磯よりR1を飛ばして大磯城山公園付近より珍しく富士山が見えました。
二宮~国府津を走り抜けてから、今日は時間短縮により酒匂川沿いは走らず、国府津より右折して県道72号で松田へ向かいます。
ちょうど曽我梅林前より綺麗な富士山を拝めました
松田からはR246で一気に山北へ向かいます。
山北駅に到着
ここでトイレ休憩だけして、県道76号で谷峨方面へ
裕ぱぱさんの記事でもありましたが、酒匂川上流の水の色が少し濁っていますね
紅葉とのコントラストがどこかの湖みたいでなかなかいい雰囲気です。
すると・・・
カモが眼下より向こう岸へ渡って行きます。しばし癒しの光景を楽しみました。
そのまま県道72号で谷峨駅へ
ちょうど下り電車が到着したところで、大勢の登山客らしき人たちが降りて来ました。
嵐橋です。
ゆっくり渡って河内川沿いで丹沢湖を目指します
県道76号をしばらく北上すると、左手に三保ダム(丹沢湖)が見えて来ました。
神尾田トンネルをヒルクライムして、三保ダムに到着
ダムの水も濁っていますね。
永際橋付近では、多くの高校生と高校別の旗(のぼり)がたくさん掲げられていました。
今日は全国高校駅伝神奈川大会の日だったようです。
永際橋を渡って少し走ると右手に丹沢湖北側が見えて来ます
水の色が濁っていてとても神秘的な雰囲気でした。
丹沢湖を後にして、さらに県道76号を北上します。
結構登りの区間が多くて疲労感が増してきます...
中川温泉郷を通過。ここは武田信玄の隠し湯としても言われています。
道幅もところどころ狭い区間が増え、対向車とのすれ違いに神経を遣います。
大滝キャンプ場を過ぎると、左手に国の天然記念物の箒スギが見えて来ます。
箒スギは樹齢2,000年と言われ、「かながわの名木100選」、「かながわ未来遺産100」にも選ばれてます
樹高は約42.5mもあり、15階建てビルに相当するほどの巨木です
箒スギを後にしてさらに登って行き、大石キャンプ場の橋から中川川を撮影
やはり西丹沢の清流はユーシン同様に白い岩とエメラルドグリーンの水が特徴的ですね
やがて西丹沢ビジターセンターが見えて来ました。
道路沿いにある駐車場も予想どおりほぼ満車状態。
ビジターセンターに到着して一息入れます。
さらに奥へ 用木沢出合方面へと進みます。
大室山~加入道山方面が見えます。
右手には檜洞丸方面への登山道(ツツジ新道)入口
6月にユーシン沢の沢登り後に檜洞丸山頂まで登った後に下って来た場所です。
この看板を見るとあの日の疲労感MAXだった記憶が自然と蘇ります(笑)
少し進むと犬越路林道方面入口(東沢林道入口)に到着 標高は600m
ここまで自宅から約65kmも走って来たので既に十分過ぎるほどのウォーミングアップでした(笑)
でも今日の本番はここからです。
↑犬越路林道~犬越路隧道~神之川林道
序盤よりヒルクライム開始です。
途中にあるゲートの横を抜けて、ところどころ勾配のキツイ区間が現れます。
序盤は黄葉が目立ちました。
高度を上げていくと、走って来た中川川沿いと右手に権現山の眺望がイイ感じです。
途中で休憩していると、後ろからMTBのサイクリストが挨拶して先に進んで行きました。
おそらくそのまま神之川方面へ下ったようです。
今年は早いもので秋が来ないうちに、何だか早くも晩秋の雰囲気です(笑)
大室山方面と犬越路方面が次第に近づいてきます。
犬越路避難小屋をズームで
次第に標高が上がるにつれ、紅葉も現れます。
しかしこの辺りで脚が攣りそうになり、山岳ライドのブランクを身をもって感じました(笑)
陽射しにより紅葉がいっそう映えます。
この辺りで標高は900mほど
用木沢源流部の紅葉も見事です。
川の源流の音を聴きながら進んで行くと犬越路隧道が見えて来ました
犬越路隧道に到着
犬越路隧道は1970年3月に完成したそうで、隧道の長さは約800mです。
標高は900m弱ありますが陽射しも出ていたのでそれほど寒さは感じませんでした。
真っ暗闇の隧道をライトを燈して通過します
あっという間に長さ800mを潜り抜けて北側坑口に出ました
北側坑口(神之川林道)は少しレトロな感じがいいですね。
これより神之川林道を神之川ヒュッテまで下ります。
左手には大室山の眺望
大室山は標高1,587mの山で、犬越路から大室山へ至る登山道は標高差500mを一気に登る道で有名です。
山頂は檜洞丸と同様にブナの森で覆われ深山の雰囲気が漂う山です。
また、八王子方面からは富士山を眺めようとすると、方角的に手前にこの大室山があるため富士山が見えづらいことで、「富士隠し」という異名を持ちます。
神之川林道の下り序盤は舗装路でしたが、すぐにダート道となり、さらに土砂崩れにより4WD車両でも通行できない箇所が数ヵ所現れます。
トンネルを出た後に車止めのゲートがありました。
このエリアは地質が脆く落石も多いため、林道自体車両も通行止めです。
序盤は岩や砂利が浅くそれなりに凸凹の少ない区間では、ロードバイクに跨ってブレーキ操作で下って行きます。
このエリアは尖った岩が多いので慎重にハンドル操作で避けながら徐行しながら進みます。
ところどころ凸凹が深くなる区間ではさすがにロードバイクを降りて下りました。
それでも神之川ヒュッテまでの7割以上はロードバイクに跨って下って来れたのでグラベルキングの威力を発揮できたのではと実感しました。
今日はMTB向けの靴底が厚めのSPDシューズにより小川を渡る場所では少し水が浸透してしまったものの乾きも早く、普段の山歩きの感覚で歩けたことも幸いでした。
途中、小川を渡る区間も多いです。
そして小川はそのまま林道沿いに流れていきます(笑)
まあ登山をする人間からしたら林道という意味では当たり前のような光景ですが、今日はこんな山奥に場違いのサイクルジャージを着て、ロードバイクで訪れていること自体、わかってはいるもののかなり違和感を覚えました(笑)
檜皮沢(ひわたさわ)の有名なゴルジュ区間 連瀑帯が見応えあります。
この手前で、MTBを手押ししている人とすれ違いました。
檜皮沢前後は特に林道の凹凸具合が深くえぐれていてこの区間は押し歩きがほとんどでした。
MTBでもかなり厳しいと思われます。
やがて舗装道路に変わり、立派なひわた橋に到着
眼下には神之川本流にTの字に合流する檜皮沢
振り向けば、右奥に丹沢最高峰:蛭ヶ岳、左端には袖平山
あの稜線歩き(袖平山~姫次~原小屋平~地蔵平~蛭ヶ岳)とても好きなトレイルです。
下の写真は以前、蛭ヶ岳山頂直下よりひわた橋方面を撮影したものです
うっすらと神之川林道も見えます。
↓さらに「ひわた橋」をズーム撮影したものです
林道沿いには小さな滝がたくさん楽しめます
再びダート区間に戻ります。
相変わらずダートは酷く、押し歩きの割合が増えて来ました。
それでも、グラベル・キングの強さを十分実感出来ました。
ようやく舗装路に変わり少し下って行くと眼下に神之川の紅葉が楽しめました
渓谷は本当にいいですね
あとは神之川ヒュッテ(日陰沢橋)までスイスイ下ります。
小洞トンネルを通過
その先の彦右衛門トンネルも通過して少し進むと袖平山方面への登山口分岐点へ
余談ですがここから袖平山へ至る登山道は、丹沢で最も急登と言われる道のりです。
以前登った経験がありますが樹林帯をひたすら登る印象で、ロードバイクのヒルクラコースで例えるならば激坂で有名な明神峠・三国峠クラスといった感じです(笑)
なだらかな坂道を下って行きゲートを抜けると神之川ヒュッテのトイレ前に到着
結局、パンクはせずグラベルキングの威力発揮といった感じでしたが、ロードバイクで訪れることは強度的にはやはり厳しい路面状況だったことを実感しました(苦笑)
そのまま県道76号で道志みち合流地点へ向かいます。
そのままという意味は犬越路隧道を挟んだ両側は同じ名称の県道76号の一本道だからです。
道沿いにあるエビラ沢の見事な滝 落差12m
神之川キャンプ場(釣り堀など)を通り過ぎて、青根集落へ
今年の7月の道志ダムなどを走った際にも立ち寄ったこちらのお店へ
お店の方がとても親切で風情がありとても良いお店です
疲労感が強く、どら焼きでカロリー補給
これより道志みち、宮ヶ瀬経由で自宅まで約60kmの道のりを走ります
次第に空の様子が暗くなり始めてきたので、道志みちを飛ばします。
でも道志みちはアップダウンが意外と多いので結構疲れました。
二輪ライダーの集団もとても多く、気が休まる時間帯は全くありませんでした(苦笑)
青野原の先の交差点より県道64号に入り、地味にキツイ登り坂を乗り越えて鳥屋経由でようやく宮ヶ瀬湖へ到着
鳥井原園地はこの天気でも結構賑わっていて、特に二輪ライダーの数がとても多かったです。
少し休憩してから、そのまま県道64号で宮ヶ瀬ビジターセンター前を通過して、やまびこ大橋へ
今夏は宮ヶ瀬湖の水位低下の話題で騒然としていましたが、今ではすっかり満タンになりました。
やまびこ大橋を右折して、県道64号で伊勢原に向かいます。
土山峠を下っていく途中、小雨がパラパラと・・・
気温が急に下がって来たので七沢の7-11でピットインし、今日のライドで初めて暖かいものを買ってイートインコーナーで補給です
その後は伊勢原市街を南下していく途中、稲刈りが終わった田んぼの先に夕日が沈みます
R129に出てからは銀河大橋付近より相模川右岸道路を南下
前方の不思議な空を眺めながら湘南大橋を渡り、海沿いCRでのんびり流して無事に帰宅しました。
結構タフな山岳アドベンチャーライドとなりましたが丹沢奥地の清流と紅葉が楽しめて良かったです。
犬越路隧道から神之川林道をトラブルなく走破できたのは、グラベルキングによるところが大きいと感じましたが、やはりロードバイクで走りに行く場所としては無理があった感は否めないです(苦笑)
■走行距離 144.5km
■消費カロリー 3,414kcal
■獲得標高 ±2,554m
■行動時間 11時間32分