新緑の箱根越えヒルクライム(箱根旧道~芦ノ湖~箱根峠~沼津) [箱根・熱海・真鶴・小田原方面]
<箱根旧道 樫の木平からの眺望>
2018年4月22日(日)
この週末は気温上昇により関東では4月の最高気温記録更新地点が相次ぎました。
そんなとても暑い日でしたが例年に比べ今年は特に季節のスピード感が早まってそうなので、一足先に新緑の箱根路をロードバイクで走って来ました。
小田原から箱根越えして三島へ抜けるルートとしては最短ですがその分とても険しい箱根旧道(旧東海道)の激坂アタックです。
↑ ルートラボより(一つ目のピークが箱根旧道、2つ目は箱根峠です)
小田原より三島方面へ自転車でたどり着けるルートとして、これまで何パターンか実際に走ってみましたが、改めて各々のルートについてまとめてみました。
■小田原駅→三島駅までの主なルート
ルート | (A)距離 | (B)獲得標高 | (B)÷(A) |
①箱根旧道 | 38.6km | 981m | 25.4 |
②R1 小涌谷経由 | 44.3km | 1,067m | 24.1 |
③熱海経由 | 49.2km | 776m | 15.8 |
④乙女峠経由 | 52.6km | 861m | 16.4 |
⑤足柄峠経由 | 56.7km | 953m | 16.8 |
⑥山北経由 | 58.3km | 672m | 11.5 |
ざっくり計算ですが、獲得標高(上り)を距離で割り戻した数値は箱根旧道が最も大きいです。
参考に鉄道の場合、ほとんどトンネル区間ながら箱根南部を大きく迂回するJR東海道線:小田原→熱海→三島の距離は36.8km
一方で箱根旧道ルートは平面的(地図上から見て)にはほぼ直線的に箱根を横断をするルートにもかかわらず、標高800m超えのピークを九十九折しながら2回も峠越えする分、鉄道ルートより距離的に上回ることになります。
夢のような話ですがこの区間に真っ直ぐでフラットな自転車専用トンネルでも作ってくれれば嬉しいんですが(笑)
各々のルートの詳細
①箱根旧道(小田原駅→R1→三枚橋→箱根旧道→元箱根→箱根峠→R1→三島駅)
②ほぼ全て東海道(R1)(小田原駅→R1→宮ノ下→R1→元箱根→箱根峠→R1→三島駅)
③小田原駅→R135→熱海→県道11号(熱函街道)経由で三島駅
④小田原駅→R1→宮ノ下→R138→乙女トンネル→御殿場市街→県道394号などで南下して三島駅
⑤小田原駅→大雄山駅→県道74号→足柄峠→御殿場市街→県道394号などで南下して三島駅
⑥小田原駅→大雄山駅→山北→R246→御殿場市街→県道394号などで南下して三島駅
データの示す通り今回走った①箱根旧道ルートは最短だけど最も勾配がキツイと言われる箱根越えの直接アタックコースとなります。
箱根旧道区間(三枚橋→元箱根手前R1合流地点)のコーススペックは距離11km 平均勾配6.5% 標高差約700mということで、神奈川県内の代表的なヒルクライムコースのヤビツ峠、足柄峠とよく比較される箱根旧道ですが、個人的にはもっともキツイと感じるコースです。
というのも箱根旧道は序盤から急こう配区間が続くものの前半の箱根大天狗山神社の赤い鳥居までは長い下り基調の区間も含まれていて、そこから先は次々と激坂区間が現れるのでコーススペック以上にとても険しく感じる道のりだからです。
余談ですが③の熱海経由での県道11号ヒルクライムコースはちょうど1年前に走りましたが、県道11号の激坂区間は短めとはいえその区間(4.4km)だけの平均勾配は9%もあり、精神的には相当辛かった記憶があります。
また箱根の坂道を完全に回避する⑥の山北~御殿場~裾野コースも以前走りましたが、他に比べるとなだらかな勾配が続き、富士山と御殿場線沿線の風景を楽しめるロングライドが出来ると思います。
いずれにしても各コースそれぞれ一長一短があり、もちろんその日の交通量や路面状況、景色なども異なるとはいえ自転車での箱根越え(箱根回避?)はどのコースを選んでもなかなか走り応えがあるルートだと思います。
↑ Google Earthより(今回走った箱根旧道ルート)
この日は片道輪行装備により輪行袋、着替え類、カメラ機材など大きなサドルバッグに詰め込み10時30分頃自宅を出発
R134に出ていつものように西へ向かい湘南大橋(相模川)を渡ります
11時頃で20度 この後気温がぐんぐんと上昇しました
川の中州を眺めると、2週間前と全く同じ光景が・・・
カモメの大群!
今日もいろいろな種類のカモメが佇んでいました。
大磯よりR1でスイスイと快走します。
今日は風もなく絶好のライド日和でした(ここまでは・・・)
酒匂川を渡り小田原市街を走り抜けます
早川口を直進して箱根に向かいます
途中、風祭より早川を眺めます
すっかり新緑の清流に変わりましたね
前方に架かる橋は西湘バイパス(箱根口I.C)
再びR1に戻って少し走ると箱根旧道スタート地点の三枚橋へ
本当にこんな重装備で箱根旧道なんて登れるのか?? と自問自答(苦笑)
ヒルクライムも久しぶりだし、地脚を鍛えるという意味で今日は今後のためにもいいかとこの時点では軽い気持ちで思ってましたが。。
すぐ先には箱根湯本駅が見えます
出発前のロマンスカーが停車中でした
ここでのんびりする余裕もないので早速、箱根旧道ヒルクライム開始です
序盤よりまるで挨拶代わりのように現れる斜度10%以上の急坂を登って行きます。
湯元温泉街の急坂を少しヒルクライムしただけで一気に頭から汗が吹き出しました(笑)
その後は須雲川IC(箱根新道)までところどころ急坂が続きます
その後はいったん下り基調となり、須雲川を右カーブで渡ると箱根大天狗山神社へと続く激坂登場
やはりこんな重装備(約3kg増)で攻めるルートではなかったと反省ですが、今日は割り切って観光地ポタクライムモードにアッサリと変更(笑)
さらに畑宿方面へ上っていくと道端にシャガの花が群生していました。
まさに初夏の雰囲気が漂ってます。
気温もぐんぐんと上昇する中、今日は予め標高の高い箱根は「きっとまだ寒いだろう」と冬用ジャージを着てきたのが大失敗。。。(笑)
この季節はいつもながらウェア選択に悩みますね。
箱根寄木細工で有名な畑宿に到着
東海道五十三次の詳しい案内をしばらく見ながら休憩(今日は休憩ばかり)
箱根八里(小田原宿~三島宿)は東海道の中でも最も難所と言われた場所
↑ 江戸時代の浮世絵(箱根)です (ネットより拝借)
安藤広重により当時の箱根の険しい道のりが描写されています。
改めて 箱根の山は天下の嶮 ♪ と歌にも登場するくらいのルートということを実感できます。。(笑)
さらに進むとこの箱根旧道で最大の難所と呼ばれる七曲りが登場
平均勾配10%のヘアピンカーブが12回連続する区間です。
コース取りによっては斜度20%以上の部分もあります
でも今日はのんびりペースでヒルクライム
それにしても新緑が眩し過ぎる!
連続するヘアピンカーブは辛いけど、この鮮やかな新緑に囲まれた道を走れると心も和みます
↑ ヘアピンカーブをパノラマ撮影
のんびりペースなので、ウェアの暑さを除けば意外と楽しいヒルクライム(苦笑)
七曲りを登り切って見晴茶屋へ
茶屋の奥にある樫の木平と言われる箱根旧道で屈指の眺望が楽しめる場所です
少し霞んでいますが、遥か先に見える小田原と相模湾の眺めがいいですね~
やがて第二の難所:猿すべり坂が現れます。
名の由来は単純で、「猿もすべり落ちるほどの激坂」とのこと(笑)
本当に箱根旧道はこれでもか!というくらい勾配のキツイ区間が現れます。
ヘアピンカーブをもがきながらヒルクライム
猿すべり坂を振り返る。
坂は辛いけどはっぱりそれ以上に新緑がいいですね~(登り切って少し余裕が出てきた)
高度も上がり少し涼しくなり、このあたりまで登るといい加減身体も慣れてきました。
九十九折り区間を登り切り少し進むと甘酒茶屋に到着
↑ 浮世絵で描かれた甘酒茶屋(ネットより拝借)
甘酒茶屋は400年もの歴史を持つ箱根旧街道の旅人の貴重なオアシスだったようです。
結構混雑していたので甘酒茶屋はスルー
この箱根旧道は箱根旧街道(ハイキングコース)と交わりながら登ります。
箱根旧街道は400年前の江戸時代の繁栄にともなって多くの往還の旅人や、参勤交代する大名が通った古道です。
あまりの泥による急坂により石畳が敷かれ整備されたものの、それでもかなりの嶮岨だったので、当時の箱根は「東海道第一の難所」といわれ、また箱根関所も取り締まりも厳しかったことも合わせて「天下の嶮」とよばれました。
道中、ところどころでこの箱根旧街道と交差するので、昔ながらの光景を覗きながら走れるのも歴史好きな人にとっては楽しい道かもしれません。
再びじわじわと登っていくと遅咲きの桜が現れました
この辺りの標高は700mほど
気温もちょうど良いくらいになりました。
やがてお玉ヶ池に到着
お玉ヶ池はいつ訪れてもとても静かな雰囲気がいいですね
この池の歴史を知ると、ちょっと悲しくなりますが。
池の向こうには地元の海岸からも遠目に判る二子山
ここまで来ればほぼ坂も終わりなのでひと安心
やがて箱根旧道の最高地点:標高820mより少し下ると芦ノ湖畔の元箱根へ
大勢の観光客で賑わう中、のんびりと遊歩道を歩きます。
それにしても良い天気
ビクトリー号が元箱根港に到着
神山(箱根山)もクッキリと見えます
大涌谷もすっかり安定しているので、多くの外国人観光客の活気を感じました。
よく見ると元箱根港の桟橋は外国人観光客で長蛇の列・・・
芦ノ湖の先にはお馴染みの富士山
しばし湖畔で休憩した後は鳥居前より走り始めます
次は箱根峠へ向かってヒルクライム
R1を走行中、視界に鮮やかな新緑が飛び込んできました
この日の箱根はまさに新緑三昧でした
しばし登って「道の駅:箱根峠」で遅めのランチタイム
箱根と言えばやはり蕎麦!
山菜そば大盛をチャージ
たっぷりと腹も満たされた後は、箱根峠へヒルクライム
箱根峠 標高846m
静岡県との県境です
ここへ自転車で訪れたのでは1年半ぶり
紅葉シーズンに熱海経由で十国峠から延々とヒルクライムした時以来のこと
今日はR1で一気に三島方面へと下ります
一部区間は路肩も広くとても走りやすい道
三島まで一気にダウンヒル~
このあたりから空気が澄んでいれば駿河湾の絶景が楽しめるのですが、今日は霞んでいて眺望はイマイチでした。
それでも楽しい下りです
途中、三島スカイウォークという観光スポットが現れます
三島スカイウォークと呼ばれるこの吊り橋
調べてみると日本で一番長い歩行者専用吊り橋とのことでその長さは400mとのこと
2015年12月に営業を開始したとのことで、かなりの来場者でこの日も賑わっていました。
吊り橋の左側には霞んだ富士山が見えました
富士山も拝めることが出来たので、あとは延々と下って三島市内へ
修善寺まで続く伊豆箱根鉄道:駿豆線の踏切をぶらりと通過します。
少し待つと電車が到着
長閑な雰囲気がとてもいいです
その後は幹線道路を沼津へ向かって走ると、清流と新緑がいい雰囲気
三島は綺麗な川が多いということでも有名ですね
最後は幹線道路をひたすら走って沼津駅へ
沼津方面のライド時にはいつも立ち寄る沼津港、千本浜海岸へ久しぶりに訪れようかと思いつつもまだ夕暮れタイムまでは2時間近く掛かりそうだったのと、翌日からまた仕事なので今日はおとなしく沼津駅へ向かい・・・
沼津から東海道線で輪行して無事に帰宅
■走行距離 81km
■消費カロリー 2,038kcal
■獲得標高 1,507m(上り)
走行距離的には100km以下でしたが、久しぶりに内容の濃いライドとなりました^^
この時期はそうでなくても服装がむつかしいのに今年は特に^^;
自転車だとなおむつかしそうです。
昨日は少し気温が低くなるということだったので、やや冬仕様に戻したら途中からオーバーヒートしそうになりました(笑)
by よしころん (2018-04-24 07:37)
箱根の旧道は車で随分前に通った記憶がありますが
こちらはスクロールだけで楽ですが
想像すればとんでも無い事。坂は走った方がまだ楽です
標高差は想像を越えます。
今の季節 ウェアーは本当に迷いますね
by majyo (2018-04-24 07:41)
沼津から輪行で帰れば気楽なたびになりそうですね^^
しかしこの日は冬用では本当に暑かったでしょ?
駿河湾のシラスや桜エビも食べたくなってきました!
by KIKU (2018-04-24 14:25)
この日、お山から富士山を愛でていました^^
気温が高い割にはとても綺麗な富士山でした。
箱根峠のこの道は、海へ向かうときに毎回通ります。
by achami (2018-04-24 20:23)
よしころんさん
予想以上に気温が上がり切った時間帯に冬用ジャージでのヒルクライムは失敗でした(笑)
しかしながら三島への下りの際は逆に寒いほどで、本当にこの時期のウェア選択は山歩き同様に悩ましい限りですね。。
by creeker (2018-04-25 23:47)
majyoさん
箱根旧道は道幅が狭くヘアピンカーブも多いので、20代の頃、当時のマニュアル車でよく車でこの道を走りましたが、ハンドリング操作だけでも結構疲れます。
それでも他のアクセス道路に比べると坂道はキツイのですが、幾分静かなヒルクライムが出来るのはいいですね。
この日は芦ノ湖から富士山も拝めることが出来たので充実した小旅行気分のライドが出来て良かったです!
by creeker (2018-04-25 23:50)
KIKUさん
予め片道輪行と決めて走ることは気分的にも楽なものですが、もう少し荷物の軽量化(自分の減量化)が必要そうです(苦笑)
そろそろ桜エビのシーズンですし、輪行ライドのメリットを活かしたいところですね。
ロングライドシーズン到来ですし、いろいろと計画するのも楽しみな季節になりました^^
by creeker (2018-04-25 23:52)
achamiさん
日中で見た富士山は写真のとおり少し霞んでいましたが、電車での帰路で酒匂川付近より拝んだ夕焼けの富士山が信じられないほど綺麗でした。
途中下車する気力もなかったので、マジックアワーに染まる富士山を車窓からただぼんやりと眺めていましたよ(笑)
achamiさんもダイビングに行かれる際はこのルートなんですね。箱根峠から三島への長い下りは爽快な走りが出来るのでいいですね!
by creeker (2018-04-25 23:54)